2018/03/10

    

 友人に紹介したい人がいると誘われてそのご夫婦の新居を訪ねた。エプロンを付けたスーパー主夫(ちゃんとお仕事もしていらっしゃいます)と赤ちゃんを抱っこした奥さまが迎えてくれた。お2人ともデザイナーで(奥さまはフィンランドに留学経験もお持ち)そのセンスが存分に感じられる家。ランチには旦那さまの研究を重ねたカレーとサラダ、食後には奥さま手作りのフィンランドメイドのブルーベリータルト。もてなしの気持ちと過ごした時間がとても心地よかった。(去年の初めに思い立ってフィンランドにいき、花瓶など買い付けて帰って来てから早1年。街を歩きながら、暮らすように過ごした数日が蘇ってきた。旅では一人だったとはいえ、あの感覚を日本で味わえるなんて。) どこかへ出かける刺激も旅ももちろんいいけれど、こうして友人と会い、家で食事をして、コーヒーを飲みながらあれこれ話す中にも十分に刺激と幸福感があった。時間軸が違う空間だった。それはきっとあのご夫婦と2人がこだわって作った空間に詰まっていた。
 
 「丁寧な暮らし」とか「洒落た空間」とかあるけれど、雑誌の中のような感覚、非日常というか。でもこの家はそういう類の空気ではなくて、本当に自分たちの住みたい空間と暮らし方を実現していてる感じがした。(もちろん小さな子供がいる家では隠し切れないものとかあって生活感が出たとしても、気にならないというか。赤ちゃんがいる家族で暮らしている現時点、という感じ)そういうところが北欧の空気が体に流れていた奥さまとデザイナーの旦那さまと、その想いをかたちにできる設計デザイナーさん(と施工できる職人さんたち)がいて、真剣でまっすぐな本物をみて、しゃんとした。