私の絵を見た母は「あなたの絵はモネのようね」とつぶやいた。
だから、小さな頃からモネが好きだった。
『積み藁』、『睡蓮』の連作をよく眺めていた。
『かささぎ』の雪の世界は北陸の冬のように感じていた。
『サン・ドニ街、1878年6月30日の祝日』の鮮やかなフランス国旗からは
歓喜の声が聞こえるようだった。
この絵本を作られた林綾野さんはフリーのキュレーターで展覧会の企画・制作していて、
特に面白い視点は画家の生活環境、食との関わりなどを研究していらっしゃること。
そういえば以前妹にすすめられた『モネ 庭とレシピ』もこの方が監修していた本だったな。
モネの人生は、絵が売れず貧困な時期があって、妻や子どもを先に亡くしたり
戦争を体験したり、激動の時代だったと思うけれど
それでも絵筆をとり書き続けた彼には
絵に対する真っ直ぐな情熱と希望の光みたいものがあったんだと思う。
積み藁や睡蓮にみる、光の美しさにそれを感じずにはいられない。
今一番大好きな作家、原田マハの最近読んだ『Modern』もとても良かった。
MOMAを舞台にした5つの短編集。
アートが時に人の心を動かして、勇気付けたり、元気付けたり、踏み出す一歩を後押ししてくれる。
マハさんのお話はそういう前向きな気持ちを感じるから、好きなのだ。
アートも、お花も、絶対になくてはならないものではないかもしれないけれど、
そういうものが心に刺激をくれる。そう信じている。