2016/09/28

   


 
すっかり秋色が並んでいる市場で、頼まれたアレンジのためのお花を選んできました。
 
ここ最近はホワイト&グリーンでまとめたいと思っているブライダルのお客さまが重なったので、
草花の雰囲気がでる白い花やグリーンの葉を選んで束ねていたり
ワークショップはドライになるものを選んでいたりしたのですが
こういった普段の贈り物のアレンジとか花束こそ、”市場にある花から選ぶ” ”季節感”が出るんではないかと思っています。
 
具体的にこの花を使ってほしいとか、色合いまで指定されているときはこうはいきませんが、わりとアバウトなときは、事前にこういった花を用意してほしいと注文をせずに、ある中から選んでイメージします。
本数、種類、予算など制限がある中で、どれだけイメージを作って選べるか、そのドキドキした即興感はなかなか楽しいです。(もちろん、毎回着地できるまでソワソワと不安なんですけれど)

インスタグラムやHP、知人・友人などを通してオーダーしてくださる方のために作る、という花屋でもないし、フラワーアーティストでもない、得体のしれないわたしに(おそらく)連絡してきてくれる方のために、とにかく喜んでもらいたいし、花を贈る喜びも、部屋の中に花や緑があることとないことの違いも知ってもらいたい。
ただただそういう気持ちで束ねているので、必然的にどこか気持ちの通うお客さまとばかり知り合えているように思います。
どんなシーンのためのプレゼントか、相手はこんな雰囲気の人で、こんなものが好きな人で、お店ならどんな内装で、とかいただいたデータから今のベストを出す、そういうお花を選んでいるつもりです。

今回は珍しいケースで、普段お世話になっている市場でも統括する立場におられてなかなかお会いする機会もなさそうな方からのオーダーでした。たくさん花屋さんがある中での注文は、「ご指名」的な要素が含まれていると言われて、自分がやっていることを受け入れてもらえているのかもしれないと少し感じました。会話の中でいつもどんな風に花を選んでいるのかを聞かれて、普段何気なくやっていることをちゃんと言葉におこしてみました。

まず最初はインスピレーションで今日はこの花!っていう一番心に留まる花を選んで、そこから色の分量とトーン、素材、質感を意識して隣に寄り添う花を探します。茎の動きと花の顔がどんな風に見えるか、どの向きにすると自然に見えるのか、元気に咲いているような雰囲気になるのか、そういうことを集中して考えながらなるべく時間をかけずに選びます。時間をかければかけるほど直感が鈍ってくるからです。

言葉にしながら、自分で再確認していました。自分のことを話すのはどうも苦手だけど、信頼している方とのやりとりの中で自分を引き出してもらったような感覚でした。
人と関わり、花を通していい出会いがたくさんあって、なんて幸せなんだろう。
日々の感謝の気持ちは、また誰かに返していきたい。