2019/02/03

善意ってなんだろう

いつもの通り道で橋を渡る。朝の澄んだ時間と、夕日が落ちかけている時間のその橋から見る景色が好きだ。片方は工場地帯、反対はもう海へとつながっている。岸にはボートがいくつも並んでいて、時には丸太が転がっている。コンテナが積み上がっていて、その奥にぼんやりと、時々くっきりと立山連峰が見える。ちょっと異国に来たような気持ちになる、この寂れた町が結構気に入っている。

昨日の帰り道はもう暗くなっていた。その橋を渡り道がカーブし始めたころ、歩道側ではない橋の脇に人がいるのを見た。リュックを担いだ人が一人、ちょうどしゃがむタイミングだった。普段なら考えられないところに人がいたので驚いた。一瞬のことで状況を把握できなかったけれど、暗かったから写真を撮っているようにも見えなかったので(本当はそうだった場合もあるのかもしれないけど、例えば気分が悪くなったとか、何かに追い詰められているとか?といろいろ想像し始めて)近くの交番に連絡をした。30分から1時間ほど経って、対応してくれた警察の方から連絡があった。現場に行ってみたけれど誰もいませんでした、とその方は淡々と話した。連絡したことが余計なことだったのでは?と感じさせるような声のトーンだった。両さんのような警察官って漫画の中のキャラクターでやっぱり威厳があって怖くて近寄りがたい存在だなぁと思わされた。

自分が正義感が強いとは思っていないし、適当なところもいっぱいあるし、全然できてないことだらけで、この1回やったことを持ち出す時点で小さい感じだけど、でも私は嘘を言ったわけではないし、困らせたかったわけでもない。目の前にあることを全部は拾いきれなくても、自分の心に引っかかったものについて考えること、小さな行動をするだけでも何かが変わると信じたい。少なくとも、見逃していた自分からは変われそうな気がする。